ピース・アニマルズ・ホームの公式インスタグラムの1月1日と3日の投稿と、このウェブサイトの先日のお知らせ欄でもお伝えしましたが、石川県珠洲市にある「ストローク乗馬クラブはなむけ」が能登半島地震で被災されました。
ストローク乗馬クラブはなむけには、ピース・アニマルズ・ホームが保護した元競走馬のレイズアスピリットとコスモドーム、鶏たち8羽を預かっていただいています。
能登半島地震で被災し、極めて厳しい状況下にあるストローク乗馬クラブはなむけにいまできることはありますか、寄付金などをお送りすることはできるでしょうかといったお問い合わせが多く寄せられました。
ストローク乗馬クラブはなむけのクラブオーナーの竹中さんにこうした声があることをお伝えしたところ、竹中さんからストローク乗馬クラブはなむけの銀行口座情報と、それをピース・アニマルズ・ホームのインスタグラムアカウントとウェブサイトに掲載することのご確認をいただきましたのでお知らせいたします。
【ストローク乗馬クラブはなむけへのご寄付のお振込先】
金融機関名:北國銀行
支店名:珠洲(すず)支店
口座種類:普通
口座番号:230888
口座名義:ストローク乗馬クラブ
ストローク乗馬クラブはなむけへの寄付物資などによる支援については、現在、地震の影響で運送会社は全国からの珠洲市宛のお届けを停止しており、珠洲市への運送態勢などが回復し、ストローク乗馬クラブはなむけにおける物資の受け入れ態勢が整った後、必要なものを竹中さんにお訊きした上でご案内できればと考えております。
ストローク乗馬クラブはなむけの現状については、発災後、竹中さんからストローク乗馬クラブはなむけにいる動物たちと竹中さんご夫妻はご無事であり、物資についても大丈夫であるとのご連絡をいただきました。水については山の綺麗な湧き水を活用することができ、馬たちのチモシーの在庫は春頃まであるようです。いただいた写真を見ると、レイズアスピリットたちがいる馬房や厩舎も倒壊などはしていないようです。
動物たちや竹中さんたちが最悪の事態を免れ得たことに少し安堵しましたが、非常に厳しい状況におられることに変わりはありません。
珠洲市の被災状況は極めて甚大で、発災から一週間近く経った今日の時点でも全容が明らかになっていません。
ピース・アニマルズ・ホームの公式インスタグラムの投稿でもお伝えしていますが、ストローク乗馬クラブはなむけの電気は停まっており、竹中さんはスマートフォンのバッテリーを充電するために、土砂崩れで崩壊した家屋が一車線を潰している、ひび割れた危険な道路を走って珠洲市の市街地まで赴いておられます。
珠洲市の電気、水道、道路の復旧には長い期間がかかる見通しで、住宅被害は件数の把握さえできていません。
先の冬にはストローク乗馬クラブはなむけへ向かう道の脇の木々が雪の重みで倒れて停電を引き起こし、倒木の処理を竹中さんもお手伝いされたと聞きました。これから降雪量が多くなる時期であり、降雪による被災状況の悪化や復旧作業の遅延を危惧しています。
高岡市にあった放牧場でネグレクトを受け、瀕死状態であったレイズアスピリットはこれまで多くの方たちに助けられ、現在のような健康を取り戻すことができました。レイズアスピリットの回復のプロセスにおいて、竹中さんたちの丁寧なケアとストローク乗馬クラブはなむけでの静穏な日々が果たしている意義はとても大きいと考えています。
レイズアスピリットのレスキュー直後の2021年2月3日になされた馬体検査の結果、レイズアスピリットのBCS=ボディコンディションスコアは9段階のうち、最も低い1点=「削痩」状態と獣医師に判定され、「栄養状態は極めて不良」と記されていました。
その後の療養・静養生活でレイズアスピリットは少しずつ回復してゆきますが、レイズアスピリットの体質的なものなのか、ネグレクトの後遺症的な影響によるものかわかりませんが、救出直後の極めて悪かった頃から見れば良くなったとはいえ、レイズアスピリットは依然として痩せ気味のままで、疝痛も何度か起こし、十全に回復できたとは言い難い状態が長く続いていました。
レイズアスピリットがストローク乗馬クラブはなむけに入厩したのは2022年の10月ですが、その年の暮れにもう一度レイズアスピリットに会いに行くと、レイズアスピリットの首から肩、足腰周りの筋肉のつき具合が見違えるように逞しくなっていました。短期間で体格の明らかな改善が見られたことに驚きました。
竹中さんとのお話から、竹中さんがレイズアスピリットの理想的な体格のようなものを思い描き、それに近づくことができるように入厩後からレイズアスピリットの丁寧なケアを続けてこられたことが察せられました。
竹中さんは厩舎や放牧場で、馬の何気ない仕草から、馬がその時なにを感じているか、訴えているかを説明してくださることがよくあります。動物たちがどのような気持ちですごしているか、ストレスや不安などを感じていないかといったことを常に気にかけ、意識し、対処しておられるのだと思います。
サラブレッド特有の繊細さや気質を理解し、体調や運動量を考慮して、消化不良や疝痛などを起こさないように留意しながら、レイズアスピリットに応じた食事を出すというような、適切な栄養管理とケアをなされたのだと思いました。これは言葉にすれば簡単なことのようにも思えますが、知識や経験が十分にあることは当然として、動物たちの健康を守ることへのしっかりとした意志や献身的な姿勢がなければなかなかできることではありません。
ストローク乗馬クラブはなむけのインスタグラムには竹中さんたちと暮らす保護犬、保護猫、保護兎たちの様子も数多く投稿されています。どの写真にも動物たちとその場にいる人間との間に信頼関係がなければ撮影することができないあたたかみがあります。
竹中さんたちや動物たちが災害による不安や緊張から少しでも早く解放され、落ちついた日々を取り戻すことができる一助となるように、私たちができることを行いたいと考えています。皆さんも無理のない範囲でご協力いただければ嬉しく思います。