18日 2月 2017

里親・一時預かりボランティアの募集:じゅん(チワワ)

チワワのじゅんは孤独死していた飼い主の傍に伏せていた所、飼い主を訪ねてきた彼の親戚の方によって保護されました。飼い主が亡くなられてから発見されるまで少なくとも3日は経過しており、じゅんはおそらくその間、ずっと飼い主の傍にいたようです。

亡くなられた飼い主のご家族、ご親戚ともに動物が好きであるので、飼い主の方も健康な間はじゅんのケアを丁寧になされていたと思いますが、体調が悪化するにつれて家事やじゅんの世話が難しくなっていたのではないかと察します。じゅんが保護された時、室内はかなり荒れており、じゅんもノミだらけでした。

じゅんは亡くなられた飼い主の忘れ形見ということもあり、じゅんのピース・アニマルズ・ホームへの入所後も、面会によく来て頂くほどにはじゅんのことをご家族の方達も大事に考えておられるようでしたが、ご自宅でじゅんを引き取って暮らすとなると難しいようで、ピース・アニマルズ・ホームでケアをしながら里親を探すことになりました。

飼い主の長い不在や環境の変化などでストレスを受けると犬も拒食症になると言われますが、じゅんも余程飼い主の死がショックだったのではないかと思います。

動物が飼い主や周囲の人の異変を認識することが出来るのか、そもそも死というものを犬や猫たちは人間と同じような形で認識するのかどうかについては様々な考え方があります。しかし、これまでの私たちが関わった動物の保護においても、玄関の鍵を施錠したまま孤独死した飼い主の元で、何日間も異様に犬が長く吠え続けていたことが近所の人達によって確認されていたという事例がありました。孤独死された方の家の室内にはフードも多く残っており、単に食事が与えられなくなった空腹感などから吠えていたのではなかったと思います。仮に死という出来事を理解できていなかったとしても、おそらく飼い主の危機的な異常を誰かに知らせたかったのでしょう。残念ながらその犬は、行政の人達が重い腰を挙げて安否確認をするために屋内にどうにか入った時には飼い主の近くで既に亡くなってしまっていましたが。

じゅんもピース・アニマルズ・ホームへの入所後は心を閉ざしたように3日間ほど人前で食事を摂ることを頑なに拒んでいました。毎日、じゅんに声掛けをし、散歩やケアをする内に、おそらく飼い主や周りの人達と楽しく暮らしていた頃のじゅんらしさというものを取り戻したのだと思います。じゅんはとてもフレンドリーになり、無駄吠えや問題行動もなく、人が大勢居るところや抱っこを好むので、富山県の動物愛護フェスティバルにも長く参加してもらっていました。

加齢のためか最近は疲れやすくなり、散歩やトリミングに行くとその後は半日ほど眠ることが多くなりました。また、散歩も10分ほどで息があがるため、9月後半とはいえ気温が高く、それなりに身体に負荷のかかる動物愛護フェスティバルへの参加も2015年をもって取りやめることにしました。最近は施設内の庭や室内で少し遊ばせるということが多いです。

龍之介を紹介した際にも言及しましたが、動物の譲渡においてもペットブームの影響は大きく、その時々に流行する犬種や特徴的なフォルムを備えた動物から優先的に譲渡されてゆく傾向が確かにあります。チワワにも極小サイズの個体や、特徴的なパーツを持つチワワが競って求められるブームがありましたが、それらの煽りを受けたようです。家庭犬としては理想的なじゅんですが、これまで良縁には恵まれませんでした。高齢とはいうものの、元々の体格や気質的なよさを備え、人好きなじゅんの良さを見出してくれる人がこれまで現れなかったのはとても残念です。

食欲はあり、排泄は良好で、特に既往歴はありません。しかし、高齢のため、普段からケア、お世話には留意が必要です。

換毛期には皮膚に軽度の炎症が出ることがあります。

外気、室温、入浴時の温度には留意が必要です。美容・トリミングは出来るだけ短時間で済ませ、長湯やドライヤーの温風の程度にも配慮が必要です。

特に好き嫌いはありませんが、消化吸収のよいフードを選んで頂く必要があります。

抱っこされることを好みますが、骨の老化を考慮すると抱き方や降ろし方にもご配慮頂く必要があります。

散歩時などに息があがりやすいですが、現時点では高齢の小型犬やチワワが発症しやすい心疾患は確認されていません。しかし、加齢・老齢による体力低下から来る息の荒さか、万一、心疾患が発症し、その兆候が現れたものかどうかについて判断できる丁寧な観察をして頂く必要はあると思います。

じゅんの里親となって頂ける方、一時預かりをして頂ける方を募集します。

申し込み、お問い合わせの際には当ウェブサイトの譲渡、一時預かりボランティアの項目をご参照ください。

皆さんのご協力をお願いします。